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経験者から見る駒場苑〜特養主任内海さんインタビュー〜

(編集部) 前回は未経験から中途で入った内田さんのインタビューでしたが、今回は経験者として中途で入職し、特養主任を務められる内海(うちうみ)さんの声を届けていきたいと考えていますので、宜しくお願い致します。
(内海) 宜しくお願い致します。

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特養主任の内海さん/答えづらい質問にも、丁寧に実直に答えて頂きました

/入って感じた排泄介助の感動が7つのゼロ推進の原体験に

(編集部) まず簡単に今の仕事を教えていただけますか?
(内海) 駒場苑で勤務して6年になります。今年度から特養主任になりました。いまは現場に入りつつ、現場課題の判断、事務所の書類作業等も担っています。
 
(編集部) ありがとうございます。内海さんが駒場苑に入られた経緯を教えていただけますか?
(内海) 自分の家は、2世帯住宅でおばあちゃん子でしたが、足が悪くヘルパーの方が来ていました。そのヘルパーの方と仲良くなり、「介護に向いているのでは?」と言われ、介護に興味を持ちました。その当時は、高校卒業後にアマチュアバンドを3〜4年やっていて、今後を考えた時に「働かなければ」と考えていた頃でした。たまたま母の知り合いが介護資格の学校で働いていたということもあり、紹介されて、ヘルパー二級の勉強を3ヶ月ほどして、実習を経て、ある有料老人ホームに入職しました。その施設は2.5年で辞めて、その後、120床ほどの特別養護老人ホームで5年弱、主任を務めましたが、その施設で現在の駒場苑の施設長である坂野に会いました。坂野は、先にその特養を辞めて駒場苑に来ており、坂野から誘われる形で、駒場苑に入りました。
 
(編集部) ありがとうございます。坂野さんとの付き合いは長いのですね!坂野さんと言えば、当時は色々なエピソードがあったように記憶していますが(笑)、、どんな印象でしたか?

(内海) 入った時点で坂野はすでに現場ではなかったので、あまり接点がなかったのですが、すでに色々と現場を変えていてすごい人だと感じていました。
 
(編集部) 何か坂野さんとの当時の思い出はありますか?(笑)
(内海) 覚えている思い出が1つあります。まだ現場の1人の介護士だった頃に、坂野がふらっと現場に立ち寄ってきました。そして、会うや否や「来月から主任だからよろしく」と言い残して、立ち去っていった思い出です。(笑) 「え、主任ですか・・・・」と思う頃には、その場にいませんでした。(笑)
 
(編集部) 衝撃ですね(笑) ・・・そんな坂野さんに誘われて、なぜ駒場苑に入ったのでしょうか?
(内海) その頃の駒場苑は、7つのゼロをちょうど推進している最中だったのですが、その内容に魅力を感じ、力がつくと思ったからです。当時の坂野は主任でした。個浴も進んでいましたが、まだ一部機械浴もあって、オムツも紙パンツに移行中だった状況です。下剤もそれに変わる何かを探していた所でした。前職でも坂野は現場を変えていたのを目の当たりにしてきたので、こういった環境で働けることに魅力を感じました。紹介を受け、1日見学をして、施設長との面接を経て、入ることになりました。
 
(編集部) ありがとうございます。実際に入ってみてどうでしたか?
(内海) これまでは新しい施設での勤務が多かったので、最初の印象は古くてこじんまりした施設だという印象でした(笑)。入ってみて一番印象深かったのは、トイレに行く人が多かったという点です。トイレに行き、座った途端に出るシーンを見て、感動しました。「おーー、でた!!」という感じです(笑)そうすると、利用者の方々が、次の排泄のタイミングまで安定して生活することにつながり、すごいなと思いました。これまでの施設では排泄まで寝てもらうとか、トイレに行きたいという人に対して「ちょっと待っていてください」と言って待たせるケースが多かったです。ですが、今は排泄をしっかりして頂くことで、利用者の方が落ち着き、不安がなくなるので、動き回ったりすることも減り、結果として、職員も慌ただしく動かなくて良くなっているということにつながっていると感じます。
 
(編集部) ありがとうございます。それは素晴らしいですね!逆に、これまで他の施設を経験して来られた内海さんだからこそ感じた、大変な点などはありましたか?
(内海) まずオムツをしていないので、当て方を間違えると漏れてしまうという点では戸惑いを感じました。そして下剤ゼロの難しさは今も継続して感じている所です。せんな茶を使っていますが、その量に関する塩梅が難しく、今だに悩んでいます。
 
(編集部) そうなんですね。他にはありますか?
(内海) 経験者ならではの戸惑いはやはりあると思います。オムツの利便性を知っていますし、反対意見があることは否定しません。事実、研修などに行くと他の施設の方から「施設側の自己満足じゃないのか?」や「本当にやっているの?」などの声を掛けられることもありました。もちろん今は、オムツの発注はしていませんし、機械浴もしていません。だからこそ、一見、手間に見えるようなことをやっていると捉えることもできると思います。
 

/過去のやり方にとらわれないことが、全員の幸せに。それを可能にするチーム力。

(編集部) ありがとうございます。確かに前回の内田さんは未経験だからこそ自然と7つのゼロを受け入れられたとおっしゃっていましたが、経験者の方から見ると、色々な考えがありますよね。それでも内海さんが、最初の感動を感じてから、今もなお共感して、駒場苑を続けて来れたのはなぜでしょうか?
(内海) 自分としても、自立を損うことや、利用者の方々に不安を与えてしまって結果的にみんなが大変になると言ったようなことは、防げるのであれば、防ぎたいという気持ちがあります。ですので、一見、”手間”に見えるような事としてオムツゼロなどの取り組みを進める事で、その日の後の介助であり、長期的な利用者の方々との関係性を良い形にできると感じているからです。
 
(編集部) そうなのですね!一時的には”手間”に感じることをやっていくのは大変だと思うのですが、なぜ駒場苑ではそれができているのでしょうか?
(内海) 今は1フロアにそこまで人が多くないので、一定程度見ることができるという前提はあると思いますが、事務職や看護師などの他職種の方が利用者の話し相手に一時的になるなど手伝ってくれるという点が大きいと感じます。
(編集部) それはこれまではなかったのでしょうか?
(内海) 少なくとも自分がいた施設ではありませんでした。自分の役割に集中していて、職種を越えた助け合いはなかったです。今は、みんなで利用者を見ていこうという形になっていて、サポートし合えているので、とても助かっています。
 
(編集部) ありがとうございます。それは内田さんが前回言っていた「職員の人が優しかった」という部分もつながるかもしれませんね。
(内海) そうですね。皆さん人柄がよく、チームで動ける協調性があると思います。変な派閥などがなく、連携できる素地があります。
(編集部) 素晴らしいですね。利用者の方がオムツなしで排便することで落ち着くことで、職員の慌ただしさもなくなる、と仰っていましたが、それを可能にしているのが、職種を越えた連携があるということですね。
(内海) そうだと思います。
 

/長い介護職のキャリアを見つめ直す場として駒場苑を選んでほしい

(編集部) そんな駒場苑では、特に経験者の場合、どんな人がマッチしていると感じますか?
(内海) 柔軟な方だと思います。気持ちが強すぎて自分の思いが先行する方や、前職のやり方に引きづられる人は、大変だと感じます。技術は後から身につきますが、駒場苑で働くなら一から、くらいの感じで、順応性を持てるかどうか、が重要ですかね。自分の場合は最初にトイレが出た時の喜び、感動を味わって、利用者と介護職のお互いのために良いことだということを感じながら、働いています。そういった感動を感じでいただければと思います。
 
(編集部) ありがとうございます。それでは最後に内海さんの今後の展望を教えていただけますか?
(内海) 最近は他の施設を知らない介護士駒場苑の中で増えてきたので、教育をしっかりやっていきたいです。個人の介護職としては・・・看取りにおいては数日ひきづることも有るなど辛い部分もあります。それでもそれを越えて、”手間”をかけてでも、長期的に見て良いことをしているという実感と、利用者からの感謝があるからこそやっていけると思っています。現場が好きなので、体が動く限りは、現場に出たいと思います。
(編集部) ありがとうございました!
 
ご関心を持った方はぜひ駒場苑の体験へ!